見栄っ張りなベトナムの結婚式

ベトナム人妻との恐妻日記

 

ベトナムに来てまず目に入るのは
若い人や子供が非常に多いことではないでしょうか。
統計によるとベトナムの平均年齢は31歳だそうです。


私のハノイの職場の平均年齢も約27歳と若いため
毎年少なくとも2人から3人の結婚式のお誘いがあります。

また、ベトナムでは乾季にあたる10月から2月旧正月前
くらいまでが日本でいうジューンブライドであることから、
うかつにこの時期、一時帰国や長期休暇などとれません。

仮にも一生一度の結婚式に不参加となると
露骨に個人の感情を職場に持ち込むここベトナムでは
後々まで業務で支障をきたすことになるからです。

ここでしっかり参加して、写真に納まり、一緒に酔っ払い、
ほかのベトナム人より多めのご祝儀を渡すことこそが
職場円満の秘訣です。


さて、わが家の結婚式・披露宴はといえば
一族で初めての外国人(金づる?)を迎えるということに加え、
ベトナムの一般的な婚期23歳を大きく超えて「おばさん」
などと屈辱のそしりを受けてきたであろう妻(当時31歳)
にとっては、ご近所に対する起死回生の一撃であるため
思いつく限りの贅を尽くすことに余念がありません。

地味婚という私のささやかな所望など、前のめりになった妻と
家族(全員!)の前では全く無力でした。

結果、私たちの披露宴の概要は以下のとおりです。
・500人規模の披露宴会場を半日かしきり
・出した招待状は隣村も含めておよそ1,000人
・仕出し料理は800人前、発注した瓶ビールは2500本
・結納は純金製のジュエリー3点+特注ディアラのセット
・カメラマンは近所のフォトスタジオ一家総出の3人態勢
・送迎のマイクロバス3台レンタル、ひっきりなしにピストン運航
・本物か怪しいMarshallの大型スピーカー8台とカラオケシステム
※すべて私の持ち出し、ちなみに結納の鑑定書は紛失とのこと

また、ベトナム語を理解できない私にとって
来る人99%がベトナム人という完全アウェイ。
式中は緊張と肝機能の極限だったため、
後から当時のことを思い出そうにも、さっばり思い出せません。

冒頭ステージでどんな挨拶をしたか(すでに出鼻から酩酊)
どんな人が来ていたのか(確か親戚だけで100人超え)
いったいどれだけ乾杯でグラスを空けたのか
酔いから醒めたときどうして下半身がずぶぬれになっていたのか
そして、はたしていくらかかったのか。。。

後日、少しでも出金の傷をいやそうとご祝儀を聞いてみたところ
私の出費だけでは足りず全額不足分に充てられた、とだけで
内訳の説明はありません。
※一人当たりVND2~500,000(約1,000~2,500円)が相場のはずです
決して、不自然に買い替えられていた某日本製最新2層式洗濯機や、
某韓国製75型アンドロイドTV、いつのまにか新たに家族の一員
となったかわいい雑種の子犬(名前はネットと言います)には
使っていない、とのことです。

ともかく、そのことについての疑念はあれども
未練や後悔などは、一切ありません。
なぜなら、結婚式への不満から沸き起こる
妻のしつこい”思い出し怒り”による無情な当り散らしの
将来リスクを未然に防いでいるからです。
これも夫婦円満のためのささやかな努力、と考えることにします。


誰かが言った貯蓄の教訓に
”見栄ほど無駄なものはない”とありました。
とても胸に響く心強い言葉ではあるのですが、
私のその後のベトナム生活においてそれは封印せざるを得ない
ということを身銭をもって知ることができました。